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予期せぬこと

 私は、若いころから不思議なことがある。夜中に目覚めると、数分後に地震が来ることがあるのだ。昼間は分からないのだが、なぜか夜だとぽっと目が覚め本能的に「地震が来る」と分かる。そして必ず揺れるのだ。何かしらの危険を察知する動物的本能が退化することなく残っているのだろうか。

 中越沖地震の後に聞いた話がある。そのおばあさんは一人暮らしで、いつごろからか朝決まった時間になると、玄関先に1羽のカラスが訪れるようになり、なんとなく話しかけている

 そのうちに餌をやるのが日課になっていた。おじいさんが亡くなって寂しかった気持ちや思い出話をそのカラスに聞いてもらったりしていた。

 その日は亡くなったおじいさんの月命日で、お仏壇の掃除を済まし、カラスを待っていたが、いつもの時間になってもカラスは来なかった。「どううしたのかな」と思いつつも、「カラスも気まぐれなのだろう」と、さほど気にも留めずに家の中にいた。しばらくして急に玄関先が騒がしくなった。見ると、いつもはたった1羽で来ていたカラスが、その日は数十羽もいて賑やかに鳴いている。「友達を連れてきたのかな」。そう思った瞬間、カラスは一斉に飛び立った。「バタバタバタ」まだ餌もあげていないのにと、おばあさんは飛び立つカラスを追うように外に出た。次の瞬間、「ドーン」と突き上げるような縦揺れ。その後一気に強い横揺れが襲いかかり、おばあさんは玄関の外で地面に四つん這いになり動けなくなっていた。すると、目の前で住み慣れたわが家が「バリバリ」と大きな音を立てて崩れていく。あまりに突然の出来事に、おばあさんはただただ呆然していた。時が過ぎ、今でもおばあさんは、この時のことを思い出すそうだ。

 あのカラスは私の命を救ってくれた。あの時、あのカラスが来てくれなかったら、私は家の中で動けなくなり倒壊した家屋の下敷きになっていたに違いない。

 あのカラスは事前に大きな地震が来ることを知って、言葉は通じなくとも私を助けるためにいつもと違う行動を示してくれたのではないだろうかと振り返る。あれから引っ越し、あのカラスに会うことはないが、きっとそうだと恩っているという。

 人生には、予期せぬ事が数多くある。私たち人間も地球上の動物であるからには、おごらず謙虚に生きていきたいものだ。

このページでは、新潟日報の夕刊コラム「晴雨計」にて、代表の執筆した記事を紹介しています。

担当は、毎週木曜日。県外にお住まいの方、見逃してしまった方は是非コチラでチェックしてください☆

第一回 2009年8月6日 ドリアン
第二回 2009年8月13日 人間力
第三回 2009年8月20日 こども元気フェスティバル
第四回 2009年8月27日 エリトリアのコーヒー
第五回 2009年9月3日 木沢のうさぎ汁
第六回 2009年9月10日 予期せぬこと
第七回 2009年9月17日 鷹柱
第八回 2009年9月24日 省エネの町
第九回 2009年10月1日 ヨセミテ国立公園
第十回 2009年10月8日 シャンベルタンに乾杯
第十一回 2009年10月15日 中越大震災から5年
第十二回 2009年10月22日 心の駅
第十三回 2009年10月29日 よりみち大学



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